土地の利用には、様々なルールがあります。その中でも重要なのが「用途地域」です。用途地域は、都市計画法に基づいて定められた、土地の利用目的や建築できる建物の種類などを制限する区域のことです。
1. 用途地域とは
用途地域は、都市計画法に基づいて、都市を機能的かつ効率的に利用するために定められます。それぞれの地域には、建築できる建物の種類や用途、高さ、大きさなどが細かく定められており、このルールに沿って土地を利用する必要があります。
用途地域は、大きく分けて「住居系」「商業系」「工業系」の3つに分類されます。
1.1. 住居系地域
住居系地域は、住環境を保護することを目的とした地域です。住宅やアパートなどの建築が認められていますが、工場や商業施設などの建築は制限されます。
住居系地域は、さらに以下の8種類に分類されます。
・第一種低層住居専用地域: 低層住宅のための地域
・第二種低層住居専用地域: 低層住宅と一部の店舗・事務所などが建築できる地域
・第一種中高層住居専用地域: 中高層住宅のための地域
・第二種中高層住居専用地域: 中高層住宅と一部の店舗・事務所などが建築できる地域
・第一種住居地域: 住居の環境を保護するための地域
・第二種住居地域: 住居の環境を保護しつつ、一定の商業施設も建築できる地域
・準住居地域: 住居の環境を保護しつつ、一定の商業施設や工場も建築できる地域
・田園住居地域: 田園環境と住居環境を保全するための地域
1.2. 商業系地域
商業系地域は、商業活動を促進することを目的とした地域です。店舗やオフィスビル、商業施設などの建築が認められています。
商業系地域は、以下の2種類に分類されます。
・近隣商業地域: 地域の住民が日用品の買い物をするための地域
・商業地域: デパートや映画館など、大規模な商業施設が集まる地域
1.3. 工業系地域
工業系地域は、工業活動を促進することを目的とした地域です。工場や倉庫などの建築が認められています。
工業系地域は、以下の3種類に分類されます。
・準工業地域: 工業施設と住宅などが混在する地域
・工業地域: 主に工業施設が立地する地域
・工業専用地域: 環境悪化の恐れがある工場などが立地する地域
2. 用途地域を確認する方法
用途地域は、以下の方法で確認することができます。
・都市計画図: 市町村の都市計画課などで閲覧することができます。
・インターネット: 各市町村のホームページで公開されている場合があります。
3. 用途地域の注意点
用途地域は、土地の利用目的や建築できる建物の種類などを制限する重要なルールです。用途地域に違反する建物を建てた場合、建築基準法違反となる可能性があります。
不動産物件調査を行う際には、必ず用途地域を確認し、建築制限などを把握しておくようにしましょう。