この記事では、土地境界確認で起こりやすいトラブル事例について解説します。
1. 土地境界確認で起こりやすいトラブル事例
土地の境界確認を怠ると、以下のようなトラブルに巻き込まれることがあります。
1.1. 境界標の紛失・移動
境界標(境界を示す杭や標識)は、経年劣化や工事などによって紛失したり、移動したりすることがあります。
境界標がなくなると、境界が分からなくなり、隣接する土地の所有者との間で境界争いが起こることがあります。
1.2. 測量図の不一致
土地の測量図は、土地の形状や境界を示すものです。
しかし、古い測量図や精度の低い測量図の場合、実際の境界と測量図の境界が一致しないことがあります。
この場合、どちらの境界を優先するべきか、隣接する土地の所有者との間で争いになることがあります。
1.3. 占有による境界の変更
民法には、占有によって土地の所有権を取得できるという規定があります。
もし、隣接する土地の一部を長年占有していた場合、その部分の所有権を時効取得できる可能性があります。
このような場合、占有による境界の変更が認められるかどうか、隣接する土地の所有者との間で争いになることがあります。
2. トラブル解決の糸口
土地の境界に関するトラブルは、当事者間での話し合いで解決できるのが理想ですが、こじれてしまうと訴訟に発展する可能性もあります。
以下に、トラブル解決の糸口となる方法をいくつかご紹介します。
2.1. 境界確定測量
土地家屋調査士に依頼して、境界確定測量を行うことで、正確な境界を確定することができます。
境界確定測量は、隣接する土地の所有者の立会いのもとで行われるため、後々のトラブルを防止する効果があります。
2.2. 筆界特定制度
法務局では、筆界特定制度という制度を利用することができます。
筆界特定制度とは、土地の筆界(登記上の境界)を公的機関が調査し、特定する制度です。
筆界特定制度を利用することで、裁判をせずに境界問題を解決できる可能性があります。
2.3. 境界紛争解決センター
各都道府県の土地家屋調査士会では、境界紛争解決センターを設置しています。
境界紛争解決センターでは、専門家(土地家屋調査士、弁護士など)が相談に応じ、調停やあっせんなどを行ってくれます。
3. まとめ
土地の境界確認は、不動産取引や建物の建築を行う上で非常に重要な手続きです。
境界が曖昧なままだと、隣接する土地の所有者との間でトラブルが発生する可能性があります。
トラブルを未然に防ぐためにも、専門家(土地家屋調査士など)に依頼して、正確な境界を確定しておくことをおすすめします。
また、万が一トラブルが発生した場合には、当事者間での話し合いだけでなく、公的機関や専門家の力を借りて、早期解決を目指しましょう。